2010年2月23日火曜日

協同総合研究所にお邪魔してきました

先週の金曜日、協同総合研究所に伺い、いろいろとお話を聞させていただきました。拙い話し振りでしたが、あたたかい言葉をたくさん頂き、ますます頑張ろうと決意を新たにした次第です!
ところで、こうした場を頂くたびに自身の勉強不足が身にしみますね。勿論、これまでも本を読んだり、論文に目を通したりはしていたのですが、協同組合って本を読むだけではわからない部分がいっぱいあるように感じます。お話をうかがって初めて理解が出来ることも多々あり、なかなか刺激的な日々です。

ところで、先日ついにモンドラゴン大学からお返事を頂きました!(どうやらメールが届いていなかったようで、違うアドレスに送りましたらすぐにお返事が来ました……)
前の記事に書いたコースで、内容としては問題が無いようです。文面からは外国人でも受け入れをしているような感じでした。
残念ながら、丁度コースの内容を検討しなおしているとのことで、具体的な話はあまりして頂けませんでした。内容が確定したら案内のメールを下さるそうです。
私も様々な方のご支援を受けて行く訳ですので、期間と費用だけは概算で構わないので早めに教えて下さるようお願いしておきました。

少しずつですが、確かな前進。なんだかどきどきします!

2010年2月17日水曜日

進捗報告

大学の方から未だにお返事を頂いていないので、あまりご報告できることがないのですが……。メールの送信ミスかもしれないので、そろそろ改めて送りなおしてみようと思っています。毎回チェックして頂くのも申し訳ない気もしますので、RSSなどで更新をチェックして下さるとありがたいです。

ところでモンドラゴンの大学はどちらかというと理系の、技術的な学部に力を入れている印象があると思います。というのも、技術系の専門学校がモンドラゴン協同組合の母体ですものね。
去年の年末に留学の希望を出す時、その辺りのことをMCC大学のHP(http://www.mondragon.edu/)で調べてみたのですが、やっぱりさすがに理系の学部が強いようです。ですが、ビジネスに特化した学部や社会教育に重きを置いた学部も存在しているようでした。
私が希望を出すコースは、Business Studies 学部のMaster and postgraduate studies、大学院で設けられているコースです。問い合わせのメールにお返事をいただけるまではいろいろと気がかりもあるのですが、しばらくは語学の勉強もしつつ頑張ります。

2010年2月4日木曜日

モンドラゴンとは?

 スペイン北部のバスク地方に存在する、世界的に有名な協同組合の町です。

 モンドラゴンの協同組合は、正式にはモンドラゴン協同組合連合体(複合体)MCC(Mondragon Corporacion Cooperativa)といい、スペイン・バスク地方の260の協同組合等から成るグループ(2007年度年次報告)になります。
 労働者協同組合という形で労働者自らによる出資で発足し、民主的に運営を行いつつも、経済的発展を続けています。

 巨大な影響力を持つMCCですが、去年の晩秋に訪れたモンドラゴンの町は、日本で想像していたよりも全然小さい規模の、こぢんまりした町でした。こんなに小さな静かな町で、これだけ大きな協同組合運動が起こっているなんて、とても信じられない。そんな気持ちで帰途についたことをよく覚えています。

 この度モンドラゴンへの留学を希望したのも、未だにその気持ちが続いているからと言えないこともありません。実際にあの小さな町でどんなことが起こっているのか、そこに矛盾はないのか、実際に見て、学んで、確かめたいのです。

留学趣意書


日本生活協同組合連合会に提出した「留学趣意書」の内容です。



「 筆者の大学学部生の時の研究課題は、1930年代のスペインにおける無政府主義の実践についてである。アナーキスト達の行った革命には、農村を一つの共同体として経済を行おうとする試みや、労働者が自分たち自身で会社の運営を行おうとする試みがあった。その中でも労働組合に関心を持ち、特にカタルーニャのバルセロナで行われた産業集産化の経緯について文献整理を行った。その際、1930年代のアナーキスト達が叫んだ「平等」、「自主管理」「協働」などのキーワードが、現在においても、NPO・NGO等の組織で掲げられていることから、連帯経済というものに興味を抱いた。
 また、2008年に端を発した世界不況は、極端な市場中心の資本主義の限界を示していると考えられる。資本主義の全てを否定する訳ではないが、経済的弱者がとことん搾取されるこの状況は、肝心の労働力という意味の資本を劣化・摩耗するだけだと言えよう。資本主義は資本の再生産を軽んじて、単純に消費に走っている。そうした楽観的な態度が、この度の世界不況に端を発する様々な社会問題で明らかになっている。このような現在だからこそ、オルタナティヴな経済のあり方を模索していく必要がある。
 こうした現状の中、現在様々なところで提起されている地域の問題、福祉の問題、労働の意味の回復といった諸問題に対し、協同組合運動は一つの解としての可能性を持っていると筆者は考えている。

 しかし、日本における協同組合運動の現状は、あまり芳しいとは言えない状況にある。
班型共同購入事業の衰退や、生協ブランドの信頼を低下させるようないくつかの事件は勿論その大きな原因だが、協同組合運動に法的な制限が設けられていることもその原因の一つにふくまれるのではないだろうか。その制限のいくつかは先年の法改正で改善したとはいえ、筆者は業種別に協働組合法を定めている現行の法体系に対し、疑問を持っている
 業種の違いを超えた協同組合の合同に対して、現行の法体系ではそれに即した認可を与えることが出来ない。また、生協を支える運動から生まれた労働の形、ワーカーズ・コープ(あるいはワーカーズコレクティブ)が法的に認可を受けていない。また、法的に協同組合が生産を行うことは認められていない。
 こうした日本の法制度の遅れは、今後の協同組合運動にとって大きな障害となるだろう。協同組合を業種に限定せず、自分自身の手で生産することを可能とする総合的な協同組合を作ることが、今の協同組合運動には求められているのではないだろうか。
 筆者の研究の目的は、こうした枠を超えた総合型の協同組合運動が、日本において実現することにある。
 そこで、こうした総合型の生協の先例であり、成功例でもあるモンドラゴン協同組合に強く関心を引かれた。博士前期課程に入学を許されてからは、日本におけるモンドラゴンの文献を読み、またモンドラゴン協同組合がホームページに掲載している資料などに目を通してきたが、国が異なることもあり、実際に行って学んでみないと理解が出来ない部分や、その運動のダイナミズムを感じること・伝えることが難しいという事態に直面した。昨年語学留学した折にモンドラゴンの町へ実際に行ってみたが、その際も時間的制限があり、外から施設を眺めるだけに留まっている。
 モンドラゴン協同組合は大学を持ち、筆者のもう一つの関心でもある教育にも力を注いでいる。同大学へ留学し協同組合経営を学び、直接モンドラゴンの協同組合運動に触れることによって、総合型協同組合運動の日本における理論の構築、及び運営のやり方、協同組合運動の精神をどう教育しているのかという点について、報告されたものを聞くだけではない生の知識が得られると確信している。
 また、スペインをはじめとするEU各国の協同組合法の法体系を学ぶことで、日本における協同組合法改正の動きに寄与できればと考えている。」